蓄電池のデメリットとメリットをまとめました!
蓄電池にはメリットとデメリットがあります。蓄電池の導入を検討中の方はいろいろと調べたりして知っている内容かもしれませんが、分かり易くまとめていますので、一度目を通してみてくさい。
■蓄電池のメリット①:深夜電力の活用で電気代削減
蓄電池を導入する場合は、電力会社との契約を深夜が安く、日中が高いプランに変更することをお勧めします。
深夜の安い電気を蓄電地に貯めて、日中に貯めておいた電気を使うことで差額分の電気代が安くなります。
■蓄電池のメリット②:災害時、停電時でも安心
蓄電池があれば、停電が起きた時に太陽光発電で作った電気を蓄電池に溜めて使うことができます。
例えば、7.4kWhの蓄電容量がフル充電の状態であれば以下の電気機器を12時間使い続けることが可能です。
※蓄電池の種類によっては、使い方が異なることがあります。
特定負荷用分電盤を設置する場合は、どの配線に電気を流すかは、蓄電池を設置する際にあらかじめ設定しておきます。
■蓄電池のメリット③:太陽光発電で作った電気を貯められる
太陽光発電で余った電気を高額で買い取ってもらえる制度「固定価格買取制度」の期間は10kW未満は10年です。蓄電池があれば固定価格買取制度終了後も、電気の自家消費比率を増やすことで、電気代を大幅に削減できることができます。
専門用語が入ったりして分かりにくいですが、太陽光発電を設置して10年以降は高額な単価で買い取ってもらえないので、余った電気を蓄電地に貯めて使った方がお得になるという事です。
固定価格買取制度終了後の売電単価は10円以下になると想定されています。
日中の電気代は34円/kWh程度ですので、電気を売るよりも貯めて使った方が良いでしょう・
■蓄電池のメリット④:ピークシフトに貢献できる
電力需要のピーク(13時~16時)を避けて電気を使用することをピークシフトといいます。
蓄電池があれば、電力会社から供給される電気を使う時間をずらすことができ、電力需要のピークの山を減らすことができます。
電気は貯められないので、電力会社は電気の需要に合わせて火力発電や水力発電など調整用の発電設備を動かしたり止めたりする必要があります。
発電設備は、動かしたり止めたりしない方が稼働効率が良くなり、電力需要の山と谷をなるべく無くすことにより、無駄なエネルギーを使う必要がないのです。
ですから、蓄電池があれば電力需要のピークのやまと谷を減らすことができるので、日本のエネルギー事情に貢献ができるでしょう。
■蓄電池のメリット⑤:電気自動車との連携
最近は「トライブリッド」と呼ばれる蓄電池も発売されています。
電気自動車と組み合わせて、車を走るために必要なエネルギーをほとんど太陽光発電で賄うことが可能になってきています。
トライブリッドタイプの蓄電池があれば、太陽光発電で作った電気をトライブリッド蓄電池に貯めて、車が自宅に停車している時間帯に、
トライブリッド蓄電池に貯めておいた電気を車に送るという事ができます。
■デメリット①:初期費用が高い
現状、蓄電池の大きなネックは設置コストが高いということです。
機種によっても異なりますが、一般家庭で導入される容量は4~8kWh程度の蓄電池の場合であれば、
150万から250万の費用になることが多いです。
蓄電池の導入による経済効果は太陽光発電の設置状況やライフスタイルによりますが、
現状の導入コストでは蓄電池を導入した方が経済的にお得とは言えないのが正直なところです。
■デメリット②:蓄電池は徐々に劣化する
メーカーカタログ等に記載されている寿命やサイクル数はあくまで目安であるため、使用環境や使い方によっては劣化が早まる可能性があります。
リチウムイオン電池は、過充電や過放電を繰り返したり、極端に高温での環境で使用すれば劣化が早まるとも言われています。
そのため、蓄電池の寿命について確認する際は、蓄電池のご利用環境や使用頻度も考慮に入れることをお勧めします。
■デメリット③:貯めれる容量は決まっている
蓄電池は容量によって貯められる量、使える量は異なります。
「蓄電池」と言っても、電気を貯めれる量は無限ではございません。ポータブル式や小型製品は蓄電容量が少なく、
使った分は減るので、いざ非常時に電気を使うとなれば足りない場合があります。
蓄電池には「モード設定」「放電開始時間」「残量」などの設定があります。
設定などを使いこなすことで、蓄電ライフが快適になります。
蓄電池に貯めた電気を使う際には、「使える量(残量)」を意識しながら使うことが大切になってきます。
蓄電容量を決めるのにお困りの方は、お気軽にご相談ください。
■デメリット④:設置スペースが必要になる
蓄電池は屋外・屋内のどちらかに設置しますので、場所の確保が必要になります。
家庭用蓄電池の目安のサイズは、幅:約80cm、奥行:約40cm、高さ:約100cmが必要になります。また設置場所は高温や低温になりすぎず、結露しない場所が望まれます。
長く良い状態をキープするには、設置場所の事前調査もしっかり行うことをお勧めいたします。
■デメリット⑤:電気ロンダリング【ダブル発電】
電気ロンダリングとは、だれかの造語でありダブル発電に置き換えられています。
ダブル発電とは、太陽光発電が発電する時間帯に、蓄電池の放電を行うことで太陽光発電の売電割合を増やすことができるので、「ダブル発電」と使われています。
しかし、ダブル発電に該当する場合は、太陽光発電の売電価格が下げられるような仕組みになっていますので、しっかりと気を付けて蓄電池を選んでください。
■蓄電池の相談が増えています
今、蓄電池システムのご相談が増えてきており、導入される方が年々増えてきています。
ただ、蓄電池は儲かるものではありません。これは、ご相談時にお伝えしておりますが語弊があるかもしれません。
もちろん電気代は下がりますが、太陽光発電のように蓄電池システムは、金銭メリットが
蓄電池の初期投資金額を上回ることは起こらないです。
蓄電池の価格(月々)>蓄電池の金銭メリット
それでも、今蓄電池システムの導入が右肩上がりで増えてきておりますが、それはなんでなんでしょうか?
■太陽光発電システムと蓄電池が相性の良い理由
今蓄電池システムの問い合わせや導入される方が増えてきています。
それは太陽光発電との相性がいいからです。
その理由は、太陽光発電のデメリットを補ってくれるからです。太陽光発電は太陽が出ている時間帯しか発電しません。
なので、お昼間の電気は安くなり、余った電気は売ることが出来ます。しかし雨の日や夕方以降の発電が弱まってきたときは、
電力会社から高い電気を買わないといけません。ところが蓄電池システムは、割安の深夜電力を蓄電池システムに蓄電し、
発電量が消費電力より低い場合は蓄電池システムが蓄電した安い電気を放電いたします。
こちらがイメージ図になります。
■蓄電池だけの導入とセット導入した場合の費用回収年数の比較
・蓄電池のみを導入した場合の費用回収年数
蓄電池のみの導入は、どれくらいの金銭メリットがあるのか計算してみます。
【条件】
・蓄電池容量:7.2kWh
・使用可能容量:5.76kWh
・充放電効率:94%
・メーカー:京セラ
・深夜の買電単価:10円
・日中の買電単価:32円
(※中国電力の料金プラン「ファミリープランⅡ」をもとに算出)
蓄電池システムの金銭メリットは、日中に買電単価と深夜の買電単価の差額になります。
日中払うはずだった電気代 - 蓄電時に払った電気代 = 年間電気代削減 |
63,072円 - 19,710円 = 43,362円 |
平成27年度は、京セラの蓄電池7.2kWhが148万円の金額でして、補助金が53万円出ていました。自己負担額は約95万円になる計算です。
自己負担額95万円÷削減金額43,362円=費用回収年数約21年になるわけです。
ですから「蓄電池は儲からない」と冒頭でお伝えしました。
・蓄電池と太陽光発電システムをセットで導入した場合の費用回収年数
次に蓄電池と太陽光発電システムをセットで導入した場合は、どれくらいの金銭メリットがあるのか計算してみます。ここではセット率の高いメーカー「シャープ」で計算してみます。
・メーカー:シャープ
・蓄電池容量:4.2kWh
・太陽光発電の設置容量:5.5kW
・月の電気代:12,000円
・日中の電気使用割合:30%
・深夜の買電単価:10円
・日中の買電単価:32円
・太陽光発電175万円
太陽光発電のみの費用回収年数は約9年になります。
費用回収年数が固定価格買取制度10年を下回り9年と、とても金銭メリットがあると言えます。
ここに蓄電池システムを同時設置するとシャープの場合はハイブリッドパワコンが使用可能になりますので太陽光発電+蓄電池システムの金額が270万になります。
太陽光発電+蓄電池システムを同時に設置しましたら、費用回収年数は12.4年になるわけです。
お分かりかもしれませんが、この差を見て太陽光発電だけでも費用回収年数は早いですが、蓄電池システムを同時に導入しても、それほど年数が変わらないのです。しかも固定価格買取制度10年を超えても、余った電気を蓄電地システムに蓄電し、お家で使用できるので先の事も考え安心して電気が使えます。
これが最近になって蓄電池システムが売れている理由です。
蓄電池システムの耐用年数はシャープであれば約30年ですので、長年にわたって利用できすることが出来ます。
■まとめ
蓄電池システムは、今後必要な製品になってくるでしょう。なぜ、国が補助金までだして普及させたいのか。それは日本のエネルギー事情を考えた時に、太陽光発電システムをはじめとする再生可能エネルギーの普及の急務であり、今後、その相棒として蓄電池システムが普及してくることが予測されています。
高額な商品かもしれませんが、太陽光発電システムと連携することで、上手に電気代を削減でき、もしもの時の非常電源にもなり安心して生活がおくれるでしょう。
■蓄電池+α情報!
RE100とは、事業運営を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に挙げる企業が加盟するイニシアチブで、「Renewable Energy 100%」の頭文字をとったRE100と命名されています。2014年に発足し2018年9月10日の時点では144社が加盟しています。
参加条件
まず条件としては、事業運営を100%再生可能エネルギーで行うことを宣言しなければなりません。
定義される「再生可能エネルギー」は、水力、太陽光、風力、地熱、バイオマスを指します。原子力発電は含まれません。
100%達成に向けては2つオプションがあり・・・
①自社施設内や他の施設で再生可能エネルギー電力を自ら発電する自社の再生可能エネルギー発電所で発電された電力の消費は、電力系統に連系されたものでも、そうでないものでも構いません。
②市場で発電事業者または仲介供給者から再生可能エネルギー電力を購入する再生可能エネルギー電力の購入は、再生可能エネルギー発電所との電力購入契約(PPA)、電力事業者とのグリーン電力商品契約、グリーン電力証書の購入のいずれの方法でも可です。
毎年の報告書提出
2つ目の要件は、報告書での進捗報告です。加盟企業は、毎年「CDP気候変動」の質問票のフォーマットで報告書を作成し、進捗状況をRE100事務局に提出が必要になります。また、報告書に記載する再生可能エネルギー電力発電や消費の情報は、第三者監査を受けなければなりません。
加盟144社(2018年9月10日時点)
製造業21社
・BMWグループ(ドイツ)・フィリップス(オランダ)・ソニー(日本)・リコー(日本)
・富士通(日本) etc
医薬品4社
・ジョンソン・エンド・ジョンソン(米国) etc
食品・消費財22社
・P&G(米国)・ユニリーバ(英国・オランダ)・ネスレ(スイス)
・コカ・コーラ・ヨーロピアン・パートナーズ(英国) etc
アパレル5社
・NIKE(米国)・バーバリー(英国)・H&M(スウェーデン) etc
小売り7社
・イオン(日本)・イケア(スウェーデン)・丸井グループ(日本) etc
金融33社
・VISA(米国)・城南信用金庫(日本)・ゴールドマン・サックス(米国) etc
建設・不動産10社
・積水ハウス(日本)・大和ハウス(日本)・クラウン・エステート(英国) etc
IT19社
・マイクロソフト(米国)・アップル(米国)・グーグル(米国) etc
通信・メディア9社
・ボーダフォン・グループ(英国)・T-モバイルUS(米国) etc
ロジスティクス6社
・アスクル(日本)・Swiss Post(スイス) etc
その他8社
・ワタミ(日本)・レレックス・グループ(英国)・SGS(スイス) etc
業界別の同行
国別の動向
RE100は、再生可能エネルギー100%の目標を挙げるだけではありません。
事務局や参加企業が協働しながら高い目標を達成していくことに意義があります。
参加している企業も2030年や2050年と長期計画の中で実現していこうとしています。
これから世界的に多くの賛同が集まるこのRE100に、多くの日本企業が加盟することを期待したいと思います。